上手なパノラマ用写真の撮り方
 

ここでは、パノラマ用写真の撮影に関する技術的な疑問点を解決するのに役立つガイドラインや情報を紹介しています

理想的なカメラ設定 このページを印刷
三脚の使用
写真のオーバーラップ
写真グループの作成
一般的なヒント
写真撮影のチェックリスト(印刷用)

 

理想的なカメラ設定 トップ

露出を手動で設定する*
絞り優先またはシャッター速度優先のいずれかのモードで画面を測光します。最も明るいセクションの露出計を読んで露出が過剰にならないようにし、一連の撮影において絞りおよびシャッター速度をロックしておきます。

理由: 撮影のたびにカメラが自動的に露出を調整すると、露出の微妙な違いによって、2枚の重なる写真の対応する領域がまったく違って見える場合があります。その結果、できあがったパノラマ写真に明るい部分と暗い部分との縞模様が生じる可能性があります。

オートフォーカスをオフにする*
オートフォーカス機能をオフにします。パノラマ写真はすべて同じ焦点距離を使用します。

理由: 異なる焦点距離で撮影した場合、スティッチング処理で解決できないズレが生じる可能性があります。

オートホワイトバランスをオフにする*
カメラのオートホワイトバランス機能をオフにします。最も適切なホワイトバランスを手動で設定し、その設定をパノラマ用写真の撮影すべてに使用します。

理由: オートホワイトバランス機能がオンになっていると、明るさの状態のわずかな違いによって、隣り合う写真で色が大きく異なってしまう可能性があります。

使用する露出設定は1つにする*
撮影を始める前に、カメラの露出計を使用して全体の撮影に最も適した露出を求め、その露出で撮影します。どうしても一部の撮影で違う露出を使用する必要が生じた(露出の状態が大きく変化した)場合は、できるだけ最初の露出に近い設定を使用するようにしてください。

理由: 一般に、パノラマ用写真は露出の変化が少ないほどうまくスティッチできます。露出設定を変更してしまうと、重なり合う2枚の同じ領域が、まったく違って見える場合があります。その結果、最終的なパノラマ写真に縞模様が生じる可能性があります。

フラッシュをオフにする
フラッシュは使用しないでください。カメラに自動フラッシュ機能がある場合は、オフにしてください。

理由: カメラのフラッシュには一定の制限と露出範囲に限界があり、撮影ごとに形や位置の違う影ができてしまう可能性があります。このような矛盾が原因で、隣り合う写真の対応する部分をソフトウェアが認識することが困難になります。

サイズや画質設定を変更しない
すべての撮影に同じ写真サイズ(解像度)と画質(ファイン)を使用します。

理由: サイズの異なる写真はスティッチできません。

* カメラのモデルによって、こうした機能やオプションが含まれていない場合があります。

三脚の使用 トップ

なるべく三脚を使用する
パノラマ写真を撮影するときは、すべての撮影について同じ水平位置にカメラを保つことが重要です。これを最も簡単に実現する方法は三脚を使うことです。

360度のパノラマ撮影を行うときは、水準器つき三脚を用いると最初と最後の撮影が確実につながります。

三脚に水準器がついていない場合は、お近くのカメラ店でご使用のカメラのホットシューに合う水準器をご購入ください。(*)

三脚を使用しない場合(やむを得ない場合に限る)
三脚がない場合は、ご自身の身体を三脚に見立て、肘をしっかりと体につけて片足を軸にし、その場で回転します。各撮影のフレーミング(水平ライン)に十分な注意を払ってください。回転するときにはカメラを水平に保ちます。

三脚を置くのに平らな場所が見つからない場合には、脚を折って一脚になるようにしてカメラを固定し、撮影します。

カメラのファインダ(LCDの代わり)を使用して、写真のフレーミングを決めて撮影します。

* カメラのモデルによってはこうした機能やオプションがない場合があります。

写真のオーバーラップ トップ

25%から50%オーバーラップさせる
25%から50%オーバーラップさせて写真を撮影します。オーバーラップの量はすべての撮影で等しい値でなくても構わず、推測した量で結構です。

広角レンズの場合にはオーバーラップの量を大きくします(50%)。

写真グループの作成 トップ

本ソフトウェアでパノラマ写真を作成するときに役立つヒントを2つ紹介します。

連続写真を40秒以内に撮影する
本プログラムには、ワンクリックで同一のパノラマ連続写真に含まれるすべての写真を自動的にかつ高度な処理能力で選択できる独特の機能があります。パノラマ写真は通常、すばやく(40秒間隔以内で)順番に撮影されるので、撮影時間(EXIFデータ)をもとにグループが作成されます。グループ内の1枚の写真を選択すると、グループ全体が選択されます。(*)

* この機能を使用しないときは、[グループ別に自動選択する]オプションのチェックをはずしておきます。

ディバイダ写真を手動で挿入する
一連のパノラマ用写真を次のパノラマ用写真と区切るには、何も写っていない写真を間に挿入するのが最も簡単な方法です。新しいパノラマ撮影に移る前に、レンズキャップか厚紙を使用してカメラアイを覆って撮影します。写真をコンピュータに取り込むと、1つの連続写真がどこで終わって次がどこで始まるかが簡単に分かります。

一般的なヒント トップ

露出に明らかな違いがある写真をスティッチすると、はっきりと分かる縞が表示される場合があります。こうした問題が発生した場合には、ArcSoft PhotoStudioなどの写真編集アプリケーションを使用してスティッチ前の写真の明るさやコントラストを補正してください。

パノラマ用の撮影をする場合、極端な広角レンズ(魚眼など)は使用しないでください。極端な広角レンズではそれぞれの写真の縁に歪みが生じ、スティッチするのが困難になります。

横型のパノラマ写真を撮影するときは、最も高い対象物がご使用のズームレベルで画面の中に入るようにします。スティッチ後にパノラマ写真をトリミングできるよう余分の空間をとっておくことをお勧めします。

横型のパノラマ撮影では、両端(左端と右端)に余分な写真を1枚ずつ撮っておくと、トリミングのための余裕が得られます。

縦に長い横型のパノラマ写真を作成するには、カメラを90度回転させ、縦長にしてすべての写真を撮影していきます。

Panorama Makerは、ご使用の一般的なカメラレンズを超高解像度の広角レンズに変身させます。2枚から4枚程度の写真を取り込み、スティッチするだけで簡単にパノラマ写真ができます。

カメラのグリッド表示機能をオンにします。ファインダ中にグリッド線を表示すると、とくに三脚を使わない場合などに一連のパノラマ撮影でカメラの水平を保ち易くなります。グリッド表示はオーバーラップの正確な量を決めるときにも役立ちます。

スティッチでは通常、50%のオーバーラップが最もよい結果となります。オーバーラップの適切な量を決めるのに補助が必要な場合には、カメラのグリッド表示機能をオンにします。

パノラマ写真で対象物が二重写しにならないようにするため、80%以上のオーバーラップは使用しないでください。オーバーラップの適切な値を見極めるには、カメラのグリッド表示機能をオンにします。

場所や遠近を変えて人物を撮影すると、同じパノラマ写真にその人物が魔法のように何度も現れます。

ご使用のプリンタがバナー用紙に対応しているかどうかをご確認ください。対応していれば、写真バナー用紙の長い紙に、作成したパノラマ写真を印刷してみましょう。フレーミングがきれいに仕上がります。


Copyright © 2011 ArcSoft, Inc. All rights reserved.